走るオタクのひと言もの申す! ~故障するから、速く、強くなる~

走ることが大好きなオタクが、伝統的な日本のマラソンの練習方法に、ひと言もの申ーす!ブログ。 月間走行距離を気にしなくても、記録が伸びる効率的な練習メニューや、故障せずにランニングを楽しめる練習メニューの作り方を公開中。 自己ベストは、2時間44分。目指すか、福岡国際。

初心者でもわかるケガ&故障予防シリーズ 第5弾 第5章 ケガや故障予防のカギ ~VDOTとは~

今回は、
初心者でもわかるケガ&故障予防シリーズ 第5弾です。

内容は、
第5章 ケガや故障予防のカギ ~VDOTとは~
になります。

 

<本文>

5.1.ケガや故障予防のカギ

“ケガや故障せずに、速くなる”

ケガや故障せずに速く走れたら、
本当に幸せだと思います。

ケガや故障は
できるだけ避けたいところです。

でも、
ケガや故障の落とし穴は至る所にあります。
なぜケガや故障してしまうのか?

その大きな理由の一つは、

適切なペースを守らず、
適切な時期に、
適切なトレーニングを行わないからです。

裏を返せば、
ケガや故障を予防するためには、

適切なペースを守り、
適切な時期に、
適切なトレーニングを行えばいいわけです。


本書では、
まず、適切なペースの見つけ方を

次に、適切なトレーニングを

最後に、いつどのトレーニングを行うべきかを示していきます。

ケガや故障を恐れることなく、
安心してランニングライフを送りましょう。


5.2.VDOT
最適な設定ペースがわからない

10 年以上も前のこと。

初めてサブスリーを達成し、

次の目標タイムに向け、
練習を行おうとすると、
困った事態になりました。

練習の「最適な設定ペース」がわからない。

サブスリー、2 時間半など、
キリがいいタイムの設定ペースは、
ラソンレーニングの本や雑誌に載っていても、

当時の目標タイム:2 時間 55 分という
半端なタイム用の設定ペースは、
どこにも載っていませんでした。

 

VDOT とは

それから、約 7 年後。

やっと 1 つの答えにたどり着きました。

それは、VDOT。

VDOT の特徴は、
「直近のレースのベストタイムから、
 練習の最適な設定ペースがわかること」。

VDOT の使い方は、まず、
『ダニエルズ』p.80 表 5.1 の VDOT 表を使って、

直近のレースのベストタイムに
相当する VDOT の数値を調べます。

<表 5.1>

当時のフルのベストタイムは、
2 時間 59 分だったので、

これに相当する VDOT は、53.5。

この数字だと、後の計算がメンドイので、
54 に切り上げます。

<表 5.2>

次に、『ダニエルズ』p.82-83 表 5.2 の
VDOT を基にした設定ペースの表から、

VDOT54 に該当する設定ペースを探します。

・E:4 分 38 秒から 5 分 14 秒
・M:4 分 14 秒
・T:4 分
・I:3 分 41 秒
・R:82 秒(400m あたり)

E~R まで、それぞれのアルファベットの意味は、

・E=イージーペース(=ジョグのペース)
・M=マラソンペース(フルマラソンのペース)
・T=T ペース(=閾値ペース・LT ペース・ハーフマラソンのペース)
・I=インターバル(=5000m のペース)
・R=レペティション(=1500m のペース)
E~I までには、1㎞あたり、
R のみ 400m あたりの設定ペースです。

インターバル走やマラソンペース走などそれぞれの練習を、
この設定ペースに従って行っていけばいいとわかりました。

 

VDOT の大切なポイント

ちなみに、
・サブ 3.5 なら、VDOT:45
サブスリーなら、VDOT:54
・2 時間 50 分切りを意味するサブエガなら、VDOT:57 に相当します。

この VDOT の数値に該当する設定ペースを
設定ペースの表から探せば、

今の自分の走力に
相応しい設定ペースがわかるのです。

現在の自分の実力に相応しい
最適なペースを知っていれば、

故障にまで至るような
オーバーペースは防ぐことができたでしょう。

VDOT の大切なポイントは、

”今の自分の走力にふさわしい練習の最適なペースがわかること”。

VDOT を使って、
自分の最適なペースを知っていれば、

少なくとも自ら進んで、
オーバーペースで走ろうとはしないはず。

結果として、
故障を事前に防げたと思います。

 

VDOT の使い方

ここで、VDOT の使い方を
おさらいしておきましょう。

1.直近のレースのベストタイムから VDOT を調べる
2.その VDOT に該当する練習の設定ペースを探す

あとは、その設定ペース通りに
練習をコツコツと行っていきます。

なお、VDOT が載っているフルマラソンのタイムは、
5 時間切り~2 時間 1 分という世界新記録まで。

ある程度練習を積んでいる
ランナーであれば、使えると思います。

現在のところ、

自分の VDOT を知る方法は、
1.VDOT 一覧表と設定ペース表が載っている
『ダニエルズ』を読む
2.アプリやウェブ用ツールを使う
 (探せば、すぐに出てきます)

2 だとお手軽かもしれませんが、
僕としては、VDOT だけではなく、
『ダニエルズ』のほかの内容も読んでほしいので、1 を強く勧めます。