先日、“スタジオパークからこんにちは”
というNHKの番組をたまたま観ていたとき、
ゲストである林家三平氏のちょっとした言葉遣いに、
ふと違和感を抱きました。
その言葉遣いは、
「名前をつけさせていだたく」です。
つけさせていだたく???
なんか変。
そもそも、敬語は、
敬う対象があるから用いる言葉です。
今回の「~させていただく}は、謙譲語。
謙譲語は、行為の対象を敬う言葉。
行為は、名前をつける。
名前をつける対象は、子供。
子供に敬語?
敬語を話すのが超苦手な僕なりに、
敬意を払う対象を順序立てて考えてみましたが、
名前をつけるという行為を通して、
誰に対して、敬意を払っているのかがわかりませんでした。
ただ、下手に出るのが大好きな日本人のこと、
おそらく、発言の聞き手である世間に対して、
敬意を払っているんだろうなぁ、と推測できます。
世間なんて有象無象に対して、
わざわざ敬語を使ってまで、
敬意を払う必要なんてないのに、
馬鹿げているわ
It's too stupid, I think.
と、僕は思います。
かつて、~させていただくの誤例として、
「稼がせていただく」という使い方も耳にしました。
この場合の「~させていただく」も、
何に対して敬意を払っているのか不明です。
稼ぐという行為の対象は、お金だから、
お金に敬意を払っているの?
そんな訳ないでしょう、
と言い切れないのが怖いところ。
敬語を用いさえすれば、丁寧に聞こえると思い、
敬語のルールを無視して、無意味にへりくだった表現は、
違和感を通り越して、気持ち悪いです。
「稼がせていただく」という言葉を使っていたのは、
一般人なのでともかくとしても、林家三平氏は、噺家。
僕のような敬語音痴に指摘されるまでもなく、
言葉遣いには、十分注意してもらいたいです。
敬語の専門家ではありませんが、
意見を述べた以上、批判は受け付けます。
でも、非難は受け付けません。
参考までに、辞書で
「させていただく」の意味を調べてみました。
今回の用例に近い意味は、次の2つでしょう。
1.人に配慮しながら、自分の一方的な行為や意向を伝えるのにも使われる。
例:僭越ながら私がお供をさせていただきます。
しばらく考えさせていただく。2.大勢の聴衆や目上の人の前で、自分の意見を述べたり、
会を取り仕切ったりするような場面でも使われる。
例:では、発表をさせていただきます。
閉会とさせていただきます。(『明鏡国語辞典 第二版』より)
2の意味が
今回の用例により近いと思いますが、
この意味に続いて、
次のような注意書きがありました。
許可を得なければならない相手がいない、
またはそのような相手が漠然としていて特定されない場合に使うのは、
慇懃無礼な表現となって不適切。
ほら、不適切。
少しは為になったら、↓を押してもらえると、
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