9.1
ところで羽川さん。もやしって、漢字で書くと『萌やし』になるのよ。
それを知って以来、もやしがおいしくておいしくて仕方がなくなったわ。
となると、どう?もやしっ子って、実はすごい褒め言葉なんじゃなくって!?
9.2
よかったの。たまたま可愛くて
9.3
仮定の話で家庭を持ったときのお堅い問題を
過程抜きで話したんですねえ
9.4
勉強会を開こう。底抜けに愚かな僕たちだけれど――
一緒に、賢くなろう。ちゃんと、幸せになろう
9.5
はっはー。阿良々木先輩、元気いいですねえ。
何かいいことでもあったんですか?
9.6
暦お兄ちゃん。暦お兄ちゃん。
朝だぞ、ほら、起きよう。
暦お兄ちゃん。遅刻しちゃうぞ、早く早く
9.7
あばよ。お前はにゃんかこう……
がんばって幸せに暮らせや、人間
9.8
道を訊いただけで道に迷ったことになるのなら、
世界に迷子じゃない子供なんていないよ
9.9
お、お前って。あなたに対してお前って……
わ、わ、はわわ
9.10
僕の大好きな委員長がな、そういや言っていたことがあるぜ。
なんだったか、何の機会だったか……人に限らず、
あらゆる生命が生まれてきた理由っていうのは、
誰かがあるいは何かが、切実に望んだ結果なんだって
9.11
そろそろ月火ちゃんが動き出すんじゃないかと思って、
あたしは心密かにアイドリングタイムに入っているところさあ。
燃える正義は地球に優しくねーぜ!
9.12
舐めなさいな。どうしたの?
喉が渇いているのでしょう?
ならばぺろぺろと舌を伸ばして、
キリンのように汚らしく舐めるがいいわ
9.13
普通の仕事ですよ。たとえて言えば、
宇宙の大半を占める圧倒的な暗闇のように――ありふれた仕事です。
間違っているものを正し、終わるべきものを終わらせる
――強いて言うなら、嘘つきを罰する仕事ってところですかね
9.14
すべてを投げ出すほどに辛かったか?
本当にそうか?制服を着たい高校はなかったか?
好きな月刊誌の最新号を読みたくはなかったか?
ドラマの続きが、映画の公開が、楽しみじゃなかったか?
9.15
だから――好きなものを好きでい続けるために、本当は
もっと、頑張らなくちゃいけなかったんですよね
9.16
余所見しとる場合か?おどれ。戦闘は既に始まっとるんやで。
おどれとうちが、おぎゃあと生まれたそのときから――
9.17
?何を言っているのだ、阿良々木先輩。
電話でとは言え、阿良々木先輩と言葉を交わすのだぞ?
ならば裸になるのが礼儀というものだ
9.18
きみを更生させてみせます
9.19
何い?この劇場映画主演女優に対し、
何と失礼なことを言うのじゃ
9.20
そうか。諦めたのか――いいだろう、
では、こちらから行くぞ。
お前の不死力が尽きるまで――
あるいは死にたいと泣き叫ぶまで、
お前の体を切り刻んでやろう
9.21
カミングスーン、神だけに
9.22
自分を被害者だとか、そんな風に思うなよってことさ。
被害者面は――気に入らないぜ
9.23
お前にもできる簡単なお仕事です
9.24
でも私、優しさなんてほしくないの。
私が欲しいのは沈黙と無関心だけ。
持っているならくれないかしら?
9.25
自分で作ったものを、そんな風に言うもんじゃないぞ、千石。
創作は恥ずかしいものだし、それに夢も恥ずかしいものだ。
それは仕方がない。当たり前のことだ。だが、少なくとも
そんな風に、自分で卑下していいものじゃないんだぞ
9.26
仕方がありません。誰だって言い間違いをすることくらいはあります。
それとも阿良々木さんは生まれてから一度も噛んだことがないと
いうのですか。では、生むみ生もめ生ままもと三回言ってください
9.27
確かに私は、年下の女の子には強いぞ。
具体的に言うと、年下の女の子ならば、
誰であれ十秒以内に口説ける自信がある
9.28
火憐ちゃん……、それでも僕がお前を殴らないのは、
お前のほうが僕よりも強いからってだけなんだぞ!
9.29
めっ!
9.30
そんな都合のいいことばかりが、認められるわけがないだろう
――あまりにでたらめなハッピーエンドだ。偽善的でさえある